ネパールでの忙しい毎日
今年はCOVID-19によるロックダウンと渡航制限により、MJBLの技能実習生制度の最初の参加者の日本到着予定が大幅に遅れてしまいました。実習生の参加者は全てネパール人。ネパールでは、およそ41万9000名もの人数がコロナに感染し、そのうち812名が亡くなっています(ネパール保健・人口省による)。迅速かつ現在進行中の国によるロックダウンのおかげで、致死率が比較的低く留まっているのが現状です。
他国では、多くの人が「#StayHome」の呼びかけにより外出を控えている一方、MJBL実習生であるディネスはとても忙しくしていました。
ディネスは昨年、MJBLのテクニカルインターンとして受け入れられてすぐ、技能実習生制度のビザの語学要件を満たすために日本語の授業を受け始めました。2019年11月に我々が最後に彼に会った時、彼はすでに日本のマナーを実践したり、漢字を読んだり、日本語で基本的な会話ができるようになっていたりしていました。正式に日本語の授業が終了してからも、ディネスは毎週MJBLスタッフとテレビ電話でビザの進行状況や日頃の活動を報告することで、日本語のスキルを維持していました。
この技能実習生制度に応募する前、ディネスは家族のイチゴ農園で働いていました。家族の協力もあり、彼はこの仕事に精一杯取り組むことができました。そんな中、8月中旬に彼は新しいイチゴの株を育て始めました。
「新しいイチゴの苗を植えるにあたり、幸運にも畑は栽培に適した泥と有機肥料に恵まれていました。苗を植えて2週間ほど経った頃に不要な雑草や幼虫などを取り除き、月末には親株から分けられてプラスティックケースで育成された苗を移植しました。」とディネスは話します。
「9月の間は、肥料をさらに足し雑草を取り除きました。また、より適した灌漑設備も導入しました。最近は、鳥による被害を防ぐためにプラスティックのネットで苗を覆ったり、9月と同じ作業を繰り返し行ったりしています。」
ディネスは、未だ続くパンデミックの間も畑仕事をしながら家族と長い時間を過ごしています。また、日本語を練習も兼ねて、家族や妻への愛する気持ちを綴ったスピーチを作成しました。「そうそう」とディネスは話します。「私の娘もとっても頼りになる存在です。家事をするだけでなく、畑仕事ではにんにく、たまねぎ、ラディッシュ、ホウレンソウを植えてくれてとても助かりました。」
ディネスは、祖国でも使えるスキルやリーダーシップ能力を学ぶため、日本での技能実習生に参加することをとても楽しみにしていましたが、ネパールにおけるロックダウン中で参加が遅れてしまっている状況下でも、愛する家族と共に快適かつ健康的な、そして何よりも幸せなひと時を過ごすことができているという彼の話を聞けて、我々スタッフも嬉しく思いました。