人道主義者へのシフト
人道主義とはどういう意味かご存知ですか?ケンブリッジディクショナリーには
「人々の生活を改善し、苦しみを減らすことに関わる、または繋がること(人)」
と記述されています。
この世界では、コロナウイルスのパンデミックが発生する前からすでに、人間の死や苦しみを引き起こす社会的、環境的な問題がいくつも存在していました。また、急な気候変動が干ばつや洪水などの異常気象を引き起こし、人間が生きるのに必要な食糧や水の確保にも影響を与えています。不安定な政治情勢は、人々に不安感を与え、内紛を各地で引き起こしています。終わりの見えないコロナウイルスのパンデミックの影響がこれらの問題を悪化させている上、非営利団体も資金不足と各地への渡航制限のおかげで、業務が進めることができていなのが現状です。
人道主義者という言葉は人道支援活動、人道主義市民、人道主義、人道的行動などの文脈の中でしばしば用いられており、これらの言葉は世界の人々の生活の向上に貢献しています。では、現在世界がこのような状況に置かれている中、今後どんな人道主義者が現れて(復活して)くるのでしょうか?
人道主義的支援に関して大きく変化していることの一つは、国境を超えた協力体制です。各団体・組織は、必要な資金集めをし、国際的な関心を集めるためにも、他国の仲間とコミュニケーションを図り、協力していく方法を模索しています。いくつかの団体・組織が国内支援に焦点を置く一方で、その他の団体・組織は支援を最も必要とする人へ届けられるよう、「ニューノーマル」という環境下で新しい経営手法やロジスティック手法を取り入れ、多様な組織や個人と協力し始めています。
また、人道部門では、支援活動へ積極的に若者を巻き込んでいます。アジェンダフォーヒューマニティ(Agenda for Humanity)によると、今日、危機や社会的脆弱性にさらされている国にいる14億人のうち半数は20歳未満であるとされています。これらの若者が世の中に大きな影響を与えようと大きな目標を掲げ、コミュニティの再建と発展に熱意を抱いているのにもかかわらず、若者たち、特に女性たちはしばしば人道支援において取り残され、貴重な若者の活力やリーダーシップ、理解、創造力が無駄になってしまうことが多々見られます。しかし、多くの社会運動や政治運動で見られるように、若者がSNSや仲間内でリーチできる人の多さやインパクトの大きさは、社会問題の認識を世の中に広め高めるためにもはや無視できないものになってきており、若者が団体・組織の目標達成に向けて努力する姿勢は、決して過小評価されるべきではありません。
政治家がコロナウイルスと闘うための対策を議会で議論し、アップデートし続けている一方で、地域の非営利団体や若者たちは、独自の立場でパートナーキャンペーンを立ち上げたり、外交を試みたり、認識を広めたりして国際的人道支援の大きな目標に向かって手を取り合っています。協力的な取り組みを通して平和を促し、情報を共有し、諸問題を根絶していけるかどうかは、まさに今、私たちの努力にかかっているとも言えるでしょう。