1年を経て、パート2
サラの1年間の振り返り
MJBL奨学生たちの近況とこの1年間を過ごした感想について、今回はサラが、私生活のストレスとどのように向き合いながら、大学での研究を進めることができたのかを話してくれました。
「昨年は私にとって喜びと楽しみに満ち溢れた年で、日本で新たに研究を始めることをとても楽しみにしていました。MJBL奨学生として選ばれたので、私の経済的な課題も解決され、研究や勉強に集中できると思っていました。しかし、コロナウィルス感染拡大が私の人生を大きく変えてしまいました。
1年目が始まってすぐに、すべての学校や大学がコロナ対策により休校しました。すべてが変わってしまいました。例えば、対面で行われていた全ての授業がオンライン形式になり、授業以外の人との交流や集会、セミナーや会議などもネット上で行われ始めました。当初は、我が子が2人とも家にいるし、夫は職探しのためにアフガニスタンへ帰国してしまったし、どのようにこの状況に適応できるかが心配でした。2人の子どもの世話をして、買い物へ行き、家事をこなすのが大変な時もありましたが、幸運にも、最終的には自分の中にある‘責任感’との上手な付き合い方を学びました。
コロナウィルス感染拡大とそれがもたらしたプレッシャーは昨年中ずっと消えませんでした。ですがこのような状況でも、目標をいくつか達成できました。筑波大学の博士課程での1年目の間、自分の研究を計画的に学び理解することができました。ここの研究環境では、調査設計、開発段階、データ分析の手順や機械学習システムを十分に理解することができました。加えて、研究者として、研究結果の執筆や発表を通して、学会での科学的なコミュニケーションの取り方を学ぶことができました。私の一番の成果物は論文の出版です。私の初めての研究論文が定評のある学会誌に掲載されたのです!
コロナウィルス感染拡大により、アフガニスタンで直接データを収集する予定を変更しなくてはなりませんでした。それでも、カブール大学の同僚が手伝ってくれたおかげで素晴らしいチームを組むことができ、アフガニスタンでコロナ感染拡大の第一波が過ぎた後に、カブール市の農家を対象に、現地で対象作物の生産情報を集めることができました。さらに、いくつかの授業を履修し、単位も取得しました。また、Tsukuba Global Science Week(TGSW)2020という筑波大学主催の国際シンポジウムにも参加し、フィリピン、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、アメリカの科学者の話を聞く素晴らしい機会にも恵まれました。それから、筑波大学のグローバル・コモンズ機構にも携わっていたため、パンデミックの間、大学がパートナー協定を結んでいるインドネシア、マレーシア、タイ、カナダ、アメリカなどの大学の学生たちと交流し、それぞれの状況などを共有し合ったりしました。幸運にも、ワクチン接種が始まった今、やっと希望が見えてきました。 MJBL財団が私を信じてくれたことに心から感謝しています。奨学金のおかげで、自身の目標を達成することができます。昨年中、支援をしてくださり有難うございました。」